11月11日、天川村で秋の自然学校を開催しました。下は小学生から上は80代まで、総勢約90人が、紅葉色づく天川村をたっぷり満喫してきました。
まず最初に訪れたのは、芸能の神様を祀る天河大辨財天社。五十鈴のある拝殿にて正式参拝を行った後、美しい能舞台に上がり、自彊術さんの健康体操、そして音楽の森ファミリーによる『旅愁』や「あ」の一音で作られた新曲を皆で合唱。大辨財天様に奉納しました。
その後参集殿に移動。禰宜の柿坂匡孝さんが、スライドを使って同社や天川村の由緒に関する貴重なお話をしていただきました。お楽しみのお昼ごはんは、料理旅館まえひらさんのアマゴや山菜など地元食材たっぷりの弁当に舌鼓。食後は、間伐材を薪にして湯を沸かす「天の川温泉」の薪ボイラー事業や、林業の将来について、同館代表の谷茂則さんの熱いお話に耳を傾けました。
次に訪れた大峯山龍泉寺は、役行者ゆかりの修験道の聖地です。住職の岡田悦雄さんの案内で境内を散策。霊水が湧く泉「龍の口」や、大火を免れた「八大龍王堂」、大正天皇の行在所を移築した「便殿」、なでると軽く叩くと重く感じる「なで石」などを見て回りました。その後本堂で、「蔵王のこころ」などの歌を奉納しました。
「天川村は再生の場所。芸能の神様、音楽の神様に見守られて、新たな出発へのパワーをいっぱいいただきました」と荒井代表。
最後に、昔ながらの建造物が軒をつらねる洞川温泉街をぶらり散策。帰りに道の駅 黒滝に立ち寄り、お買いもの。充実の1日でした。
あわせてサプライズもありました。10月のインド公演にて現地で知り合った日本人の旅行者の方が、自然学校を見に来てくださったこと。この不思議なご縁も、インド=天河の辨財天様(サラスヴァティー神)がお導きくださったのかもしれません。
まつぼっくりは、3月27日から29日まで、吉野金峯山寺の東南院さんで、春の合宿と卒団式、歌の奉納を行ってきました。今年の卒団生は、森美穂(高3)です。
最初に宮川真由美先生のピアノ伴奏とともに、大好きな歌で想いを伝えた後、入団前の自分と今の自分、ご両親への感謝、夢を描くことの素晴らしさ、仲間とのきずな、荒井先生への感謝と思い出などを語ってくれました。荒井先生からは、美穂さんとの出会いや、みんなのお姉さんとして団員を引っ張って支えてくれた感謝、一人の女性としての成長したことへの喜び、送り出すことへの切なさなど、悲喜こもごもの言葉が贈られました。遠方から保護者の方々、大和まほろば合唱団、音楽の森むろうコーラスの皆様、まつぼっくりOGもかけつけ、涙と笑いありの感動的な式でした。
卒団式の後は、音楽の森ファミリー総出で、蔵王権現様の前で歌の奉納もさせて頂きました。五条良知管長様からのアンコールで「まつぼっくりのテーマソング」も披露。みんなが晴れやかな気持ちになる歌の奉納でした。
森美穂さん、卒団おめでとうございます。さらなる高みへと羽ばたいていってくださいね。応援しています。
3月11日(日)に、ラグタイム音楽のトップピアニストである池宮正信さんのチャリティーコンサート「クラシックとラグタイム―愛と感謝―」が行われました。今回のコンサートをもって日本での活動に終止符を打たれ、今後は米国での活動に注力されるとあって、池宮さんを慕う多くの関係者が来場。笑いあり、涙ありの感動のラストコンサートでした。
コンサートは始めに、ブラームスのピアノソロ曲を、心をこめて演奏。力強くて優しい音色は、池宮さんのこれまでの歩みがそのまま音に反映されているかのようでした。
つづいて、池宮さんのピアノBGMにのせて、米国での池宮さんの暮らしを紹介するスライドショーが流されました。現在池宮ご夫妻が生活している、米国メーン州の森にある農園「ピースファーム」と、そこに暮らす動植物たち、近隣住民とのふれあい。慰問コンサート、地域のフリーコンサート、ホームレスに聖書と食べ物をふるまうボランティア活動などの慈善音楽活動の様子が、スライド写真で紹介されました。ピアノの調べ、金子みすずのメッセージ、生き生きした写真が三位一体となり、まるで美しい短編映画を見ているかのような気持になり、今生きていることへの感謝が自然と湧き上がってきます。
「森の中で暮らしていると、自然がさまざまなことを教えてくれます。太陽、風、雨の恵み。当たり前のようで奇跡の連続。目に見えない大きな力(神様、仏様)が、この世を動かし、慈悲の光を与えてくれています」と池宮さん。
次はお待ちかね、ラグタイムの時間。装い新たに、ハット×ベスト姿の池宮さんが、どこかで誰もが一度は聞いたことがある、有名なラグタイムナンバーを中心に演奏しました。本来ちょっとお堅いクラシック曲を、軽やかにユーモラスにアレンジを加えたラグタイムは、19世紀後半に生まれた黒人音楽。笑いあり、手拍子あり、掛け声ありのノリノリな生演奏。ラグタイムのもつ「今を明るく前向きに変える」パワーを感じました。最後に演奏されたウィリアムボルコム「最後のラグ」は、別れの切なさ、時間のはかなさ、人生の素晴らしさが伝わってくるような、美しい調べでした。
最後に、2011年東日本大震災の追悼を込めて、まつぼっくり少年少女合唱団と一緒に「花は咲く」を演奏。前奏で黙とうを行ったあと、まつぼっくりの団員が犠牲者やその家族らを想い、心を込めて歌い上げました。
「奈良は良かったね、平和だねは違う。自分のことのように思ったら、いったい何ができるか?を考えていきたい」と荒井代表。
続く「上を向いて歩こう」も、ラグタイムバージョン。永六輔先生に生前池宮さんが直接うかがった歌詞の秘話も教えていただきました。
「この曲はさみしそうな歌詞だけど、本来は希望の歌。お月さま、太陽は常に我々に光を注いでくれている。今は自分の心が曇っているから、届いていないだけなのです」
アンコール曲は「青い山脈」。ボーカルに五條さんも加わり、観客も口ずさむ大盛り上がりの中、コンサートは終わりました。
終演後には、池宮さんから来場者にサプライズも。なんと、池宮さんのCDや教則本、愛読書を無料プレゼントしてくださいました。池宮さんの国内コンサートは今回で最後ということでさびしい限りですが、米国でのご活躍を心よりお祈りしています。お体にはお気をつけて、いつまでもお元気で。
1月21日に音楽の森まつぼっくりスタジオで、新春コンサートが行われました。この日のメインゲストは、音楽の森スタッフでもあるバリトン歌手の五條雅大さんと、五條さんの学友で尺八奏者の饗庭圭輔さんのお二人。金峯山寺や小浜市からも来賓がかけつけ、午前と午後ともに満員のステージでした。
最初に、饗庭さんの尺八と宮川真由美先生のピアノ演奏で幕が上がり、「シクラメンの香り」「異邦人」「いい日旅立ち」といった昭和の歌謡曲ナンバーを、五條さんがしっとりと厚みのある声で歌いあげました。饗庭さんの独奏「木枯らし」では、息・指・首を駆使して、寒い木枯らしを尺八でみごとに再現。まさに鳥肌が立つ演奏でした。続く宮川先生のピアノ即興演奏もパワフルで圧巻。新曲「蔵王のこころ」では、荒井先生指揮のもと、まつぼっくり少年少女合唱団のコーラスに、観客も歌に加わる盛り上がりをみせました。最後に、アンコール曲「また会う日まで」で幕が閉じました。
曲間のトークでは、たどたどしい五條さんと、するどいツッコミを入れる饗庭圭輔さんとの軽妙な掛け合いが印象的。今日は荒井先生もトークは控え気味で、会場全体が二人を温かく見守る空気が流れていました。「音楽の森に入ってから、人生で最も激動の日々を送っています。自分の名前が冠のコンサートは夢のようです。きっと今日は一生忘れない日になります」と、想いを語る五條さん。
終演後はメインゲストの2人から、来場者1人ひとりに葛湯のうれしいプレゼントも。心も体もほかほか温まる、新春コンサートでした。
「まつぼっくり少年少女合唱団」の創立35周年のコンサート祝賀会が、12月17日にホテル日航奈良で行われました。まつぼっくり、大和まほろば、むろうコーラス関係者や、行政・寺社・メディア・著名人ら約250人が集結し、ともにお祝いしました。
コンサート1曲目は、荘厳な山伏のほら貝で始まる「蔵王のこころ」。吉野山金峯山寺にある蔵王権現に対峙した時の気持ちと、紀伊山系の自然への畏敬を込めて荒井代表が書き下ろした作品です。続いて国内外のわらべうたや、まほろば合唱団の最新作「今が一番幸せ!」など計8曲を披露しました。
コンサート終了後は祝賀会へと移り、来賓の方々と一緒にこれまでの歩みを振り返りました。荒井代表は、「35年の感謝の気持ちを持ち、これからも歌の力を信じ世代間交流を大切に歌い続けたい」とご挨拶。最後に、昨年永眠された永六輔先生作詞の名曲「上を向いて歩こう」を全員で歌い、来る40・50周年を共に誓い合いました。
11月19日、まつぼっくり少年少女合唱団は、山添村の『第15回 伝統文化こどもフェスティバル』で、コンサートを披露させていただきました。森中村長が「今日は、ふれあいセンターが出来て以来の大入り満員です」とおっしゃるほどに、客席は老いも若きも集いて賑やかでした。 (本当かなぁ、ホール玄関に1997年12月 竣工って書いてあったけど ......... )
山添村とのお付き合いは、荒井先生がなんと22年前から足を運んで、児童合唱団の指導にあたられてきたところから始まるそうです。22年前は、現在のふれあいセンターのような立派な施設がなくて、役場の2階で練習したそうです。その頃の生徒も、今は30?40歳の父ちゃん・母ちゃんになっていることでしょう。
まつぼっくり少年少女合唱団は、多くのお客さまに圧倒されることなくいつもの美声とハーモニーを聞かせてくれました。中でもわらべ歌では、客席のこども達と一緒になって演じてくれました。黄色のユニフォームがまぶしく輝き、目立っていました。さすが、35周年を迎えた合唱団の現役で、何にでも取り組む可能性を感じさせます。
さて「伝統」という言葉。山添村の楽団もまつぼっくり少年少女合唱団にも当てはまるのですが、旧臭いものではなく、数多くの良い・辛い経験を積んでこそ新しいスタイルを作っていく原動力を秘めている、さらに次の世代に知恵と勇気・活力を与えてくれるもの ......... と言えないでしょうか。
山添村では、伝統行事や伝統芸能が受継がれており、「過疎の波、なんのその」と、たくましいこども達の姿を見せていただきました。展示コーナーを見ていて、山添村の小学生・中学生は、発想が豊かで、観察眼に優れていると感じられました。 狂言を舞うこども達を見たのは、初めてでした。
(今日は来て良かったなぁ、と感じました ............ )
大和郡山市制60周年を記念したコンサートがやまと郡山城ホールで開催されました。
出演者は音楽の森ファミリーのほか、道上洋三さん、さとう宗幸さん、高石ともやさん、池宮正信さん、そして永六輔さんなど、そうそうたる顔触れ。
コンサートは、まつぼっくり少年少女合唱団の元気な歌声と共にスタート。
そして、さとう宗幸さんの温かみある歌声、高石ともやさん・池宮正信さんの息の合ったリズミカルな演奏などでお客様を魅了し、最後は出演者総出で「上を向いて歩こう」「ふるさと」の合唱で大団円となりました。
時にホットに、時にしんみりと伝える「歌の力」は会場を訪れた満員のお客様一人一人の心に確実に刻まれたことと思います。
5月5日のこどもの日、音楽の森さほがわコンサートが、音楽の森ミュージックスタジオ(奈良文化学園ビル地下ホール)でのファイナルコンサートとして、開催されました。
今回は子どもたち一人ひとりによる手作りのコンサート。この日は雨が降ったり止んだりとあいにくのお天気でしたが、立ち見が出るほど多くの方々に足をお運び頂き、会場は終始熱気に包まれていました。
第一部は、ピアノ・筝曲・バイオリン・マンドリン・うたなど一人ひとりの特技を生かしたプログラムを披露し、この日ゲストとしてお迎えした小学5年生の笠井文昭君にはバイオリンの素晴らしい音色を奏でてもらいました。
第二部は、まつぼっくり少年少女合唱団の子どもたちと荒井敦子先生による「ドレミの歌」「すべての山に登れ」「花は咲く」等の合唱。いつものピアノ伴奏に加えて、笠井君のバイオリン演奏などもコラボした、一味違う素敵な楽曲を披露いたしました。
コンサートのトリでは、手作りの兜を被り、会場の皆様と一緒に「こいのぼり」を熱唱。"子どもたちによる子どもたちのための「子どもの日コンサート」"は、会場の方々も大いに魅了したファイナルに相応しいひと時となりました。
今後も音楽の森への御支援、何卒よろしくお願い申し上げます。